故最明寺入道見参御書 文永六年(1269年) 聖寿四十八歳御著作


 禅宗は、寺々を挙げて、日本国中の旧寺(比叡山延暦寺等の法華経信仰の寺)に対する、
民衆の御帰依を捨てさせています。

 その為に、「禅宗は、天魔の所為である。」という主旨のことを、故最明寺入道(北条
時頼)殿と御対面させて頂いた折に、私(日蓮大聖人)は申し上げています。

 また、故最明寺入道(北条時頼)殿に対して、私(日蓮大聖人)は、『立正安国論』を
上奉させていただいております。

 総じて、日本国中の禅宗・念仏宗は、 

 (後欠)



■参考文献

 『法門申さるべき様の事』

 其の故は故最明寺入道に向かひて、禅宗は天魔の所為なるべし。後に勘文もてこれをつ
げしらしむ。

 (新編御書435ページ、御書全集1272ページ)

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■あとがき

 『故最明寺入道見参御書』の御真蹟は、上記の箇所までが、断簡として、羽昨・妙成寺
に現存しています。

 『故最明寺入道見参御書』の御金言から拝すると、日蓮大聖人は、執権北条時頼と御対
面されていた経緯があったようです。
 また、そのことは、『法門申さるべき様の事』の内容からも、裏付けられます。

 「新たな文献の発見等によって、後年、これらの史実に関する研究が進展するであろう。」
と、筆者は考えています。     了


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